Black World
本当の無知は、私だ
お金もない私は歩いて、来陽と過ごしたあの町へと足を運ぶ。


電車やバスなら、30分あれば着く町。


だけど歩いて向かったせいか、2時間も時間を費やした。


本当に、終わりにするために。


スッカリ日は落ち、キラキラとライトアップされた町並み。


初めて来陽に出会った場所は、人通りも少ない裏路地。


この時間帯は、ロクな人間がうろつかないから危ない。


そう言われている場所だけど、どうしても終わりはここが良い。


初めて来陽と出合った日のことを思い出し、懐かしさにフッと笑みが零れた。


あの日、来陽が私のことを助けなかったら、、、


何も、始まらなかった。

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