Black World
私はそんな最低な人間だから、どうでも良い。


だから、どうか神様。


来陽のことを、これ以上苦しめないで下さい。


これ以上、来陽の記憶を奪わないで下さい。


来陽が、思い出してくれなくても良い。


来陽の隣にいるのが、私じゃなくても良い。


その代わり、来陽を幸せにしてください。


病気に負けないくらい、来陽には幸せになってほしい。


ねぇ、来陽。


あなたの幸せは、何処にあるの?


何処に行けば、見つけられるの?


来陽から逃げた私は、来陽の幸せを願うことしかできない。


ごめんね。


こんな私が、来陽を好きになって。

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