【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。




「お、おい! 西垣!」

目を大きくしてた先生が呼んでも振り返らず、教室を出て行く。


それにしても癖なのか、登校して来た時と同じ、片手をズボンのポケット。

もう片方は鞄を持ち、肩に乗せる。


きっと、無意識なんだろうけど、女子はそんなところまでキュンとするのだろう……。


そして柊くんまで、なぜか驚いていて、

「れんたんに、なにが起きたんだ……?」

と呟いていた。


れんたんくんがいきなりあんな行動をするのは確かに驚いた。


だけど私には、それ程みんなが驚く理由がわからなかった。



初めて聞いた声……。

それは、低くて綺麗な声だった──。


< 16 / 182 >

この作品をシェア

pagetop