【完】私の好きなあいつは無口で俺様な二重人格くん。




──ガチャ


「ちょっと、アンタ! なにしてるの!?」


え?

観覧車のドアが開いたと同時に、花梨さんがいつもと違う話し方で私を外へと突き飛ばした。


「いった……」


「人の彼氏なに取ろうとしてるの!? このウソつき!」

花梨さん……?


「花梨!」

「花梨やめろ」


柊くんと、西垣くんが花梨さんを止めた。


「なによ。2人とも。それに蓮までどうして……っ」

「ごめん。花梨。……別れたい」


「なにそれ。昔の女の子がこの子だから別れたいってこと?」

花梨さんは、私だということを知っていたんだ。


倒れこんでいる私を、柊くんが「立てる?」と手を貸してくれた。


「花梨。俺はお前を幼なじみとしか見れない。俺、悠真に頼まれて付き合っていた。けど、それは違うって気付いたんだ」


「意味わかんない。もう勝手にすれば? 私からフッてやるわよ。もう帰る」


スタスタと出口の方へと早歩きで進んでいく花梨さん。





< 161 / 182 >

この作品をシェア

pagetop