最低王子と恋の渦




「ていうか秋がないことに私は腹立ってるの」


「は? なんで秋」


「だって秋って虫もそんないないし気温もちょうどいいし、何より紅葉が綺麗、」


「そんな馬鹿みたいな事言ってる暇あったら少しは勉強したら?」




その現実を叩きつけるような三鷹くんの言葉に私はうっとたじろいだ。



そういえばもうすぐ中間テスト…。

うわぁ死にたいなぁ…。




「ろくに勉強もしないクセにそんな戯言……いっそ死ねば?」




明らかに蔑む目を私に向ける三鷹くん。


三鷹くんは見た目通り、ものすごく頭が良い。

おまけにスポーツも万能で、やっぱり王子と呼ばれるだけあるなぁとは思う。



…せめてブス発言を控えてくれたらなぁ。




「あー…今日体育サッカーじゃん…」




不意にそう嫌そうな声を上げた菜々。

私と菜々は同じ選択だ。




「あ、ジャージ持って来るの忘れた」


「うわぁ美乃ドンマイ」




やらかしてしまった。

これは寒すぎる。




「…田中さんってほんとに馬鹿だね」


「もう罵らないで三鷹くんそろそろ心折れそう」




まあ全部自分が悪いから仕方ないんだけどね!?




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