最低王子と恋の渦




と、その時。


優太は皆が声を掛けてきているのにも関わらず、真っ直ぐに珠妃の方に向かって走って来た。


きょとんとしてその優太を目で追っていると、優太はフェンスの目の前まで来て、珠妃を見つめた。







「珠妃ちゃん、俺かっこ良かった?」



「……へっ?」







真っ直ぐな瞳を向けられ、珠妃は少し顔を赤らめる。

優太の顔には汗が伝っていて、それが光を反射させていた。




珠妃はまだドキドキとうるさい心臓を抑えつつ、優太を見上げる。








「か、かっこ良かった…!」



「……ほんとに…?」



「ほんと!珠妃ビックリしちゃったもん!」







キラキラと瞳を輝かせる珠妃に、優太は少し目を見開いた。


そして、ゆっくり小さく微笑む。







「……えっ、優太今笑っ、」



「おーーい田中ぁ!川平さんに伝えたいのも分かるけどまだ試合中だぞぉー!」








向こうからそんな部員の声が聞こえてきて、優太はそっちに向かってコクリと頷いた。

そしてまた珠妃に振り向いて、








「…じゃあ戻るね」



「うんっ、頑張って!」







珠妃の言葉を聞いた優太はタッタカと部員達のいる方へ戻って行った。




…やっぱり、珠妃優太のこと好きだなぁ。


もっと、優太のこと知りたい。



…もし優太に好きな人がいたら…、




どうしよう。







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