最低王子と恋の渦



「ブスでも性格が良かったら別にいいと思うよ。でもブスなのに性格悪いってそれ最悪だよね田中さん」


「わざわざ名指しで言わないでよ!」


「こんな君にも彼氏の一人くらいいればね」




そう言ってニッコリ微笑む三鷹くんは、完全に私をおちょくっている。




「どうせ出来るわけないとか思ってんでしょ?」


「え? なんで決めつけるの? 俺はただ純粋に、」


「はいはい馬鹿にしてるんでしょ」




分かってますよ慣れましたから!!


私がフンと鼻を鳴らすのを見て、三鷹くんは鼻で笑った。




「そのひねくれた性格直さないとモテないよ?」


「そっくりそのまま三鷹くんにお返しします」


「残念。俺は現にモテてます」





死ねナルシスト!!



三鷹くんの余裕そうな微笑みを見て、また私は腹を立てる。



…まさかこんな人とこんな関係になるとは一年前では思ってもみなかったよ。


高校二年生になって、同じクラスで席が隣になったのが運の尽きだった。


しかも別に私三鷹くんのこと好きとか狙ってるわけでもないのに、熱烈なファンの方々の怒りを買ってる現状だし…。



もうほんとに人生間違えた。




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