晴れ時々@先生の妹【第2巻】
中村先生が二戸 梨杏のブラウスの襟を立てた下にネクタイを入れ、素早くネクタイを結んだ。
中村先生が温かい眼差しで二戸 梨杏の顔を見た。
「よし、これでいいぞ」
「先生、ありがとう」
二戸 梨杏が少し照れて、嬉しそうな顔をしている。
中村先生が腕時計を見る。
「もう、そろそろ時間だな」
「じゃあね、先生、行ってきます!」
「ああ……。気をつけて、二戸──」
『二戸』、今まで散々何度も口にして呼んでいた名前、これからは暫く呼べなくなるんだな。
何だか、凄く、寂しいな──。