浮気彼氏から奪うオトコ。







「妃鞠にとって大切なヤツなんだし。

この際、お前の彼女を奪ったヤツを、俺が見つけ出せたら―…」




コイツ、案外すごいのかも知れない。

最低な出会いだったけど、本当に見つけ出してくれるのかも知れない。




「妃鞠を貰うから」



微笑んだアイツは、もう迷いなんてなかった。

初めの時よりも、妃鞠ちゃんを大切にしているのが分かる。




「言ったでしょ?貰うも何もさ、妃鞠ちゃんはずっと君が好きだって」




何を納得していないのか、さっぱり分からないけど。

妃鞠ちゃんと君は、ずっと思い合っている。



それなのに遠回りばっかして―…。



いつ死んでしまうか分からないのに。

いつ失ってしまうか分からないのに―…。




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