龍乃一味のカオスな学園生活
すっかり仲良くなり、騒々しくバカ話しながら昼食をとる龍乃とさくら。

どちらもプリチーキュートな女子生徒だけに、絵面としてはとてもいいのだが、何せ核弾頭な二人だ。

可愛いおにゃのこ大好きな天神の男子生徒達でさえ、遠巻きに見ているだけで、努めて関わり合いは避ける。

しかし、そんな核弾頭二人の隣に。

「よいせっと」

カツ牛海老天全部乗せ丼イスカンダル盛りけんちん汁セットの載った盆を手に、一人の男が座った。

目付きの悪い男だ。

長く伸びた黒髪の襟足を無造作に括り、身に付けているのは紺色の作務衣。

よく焼けた顔は日差しによるものではなく、高温の炎の近くにいたせいか。

太く筋肉に覆われた腕にも、数多くの火傷の痕が見受けられた。

その腕で大きな丼を手にし。

「相変わらず天神の学食は量も多くて安いな、これで採算合うのかね？」

男はガツガツと飯を掻き込む。

気持ちがいい食いっぷりだ。

その姿を見たさくらが。

「父様っ！」

目を丸くする。

「…よぉさくら、元気にやってるか」

丼をテーブルに置き、その男…夕城流の刀鍛冶、夕城 龍之介はニッと笑った。

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