龍乃一味のカオスな学園生活
その様子を、セレナは見ていた。

(そ、そうかぁ…こういうドタバタの最中にあげればいいのかぁ)

それなら恥ずかしがりのセレナでも出来そうだ。

しかし、肝心の武は刹那と鍔迫り合いの真っ最中。

最近思うのだが、喧嘩しているように見えて、ああしている二人は案外楽しそうだ。

邪魔しては悪いとさえ思ってしまう。

だから。

「……」

セレナはこっそり、武の鞄の中にチョコを忍ばせる。

『良かったら食べて下さい』と、メッセージを添えて。

控え目で奥手なセレナには、これくらいがちょうどいい。

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