龍乃一味のカオスな学園生活
それもそうだろう。

高等部に進学した所で、生徒会はそのままのメンバーで来年度も引き継がれる。

校舎が変わるだけで、誰かがいなくなる訳でもないし、誰かが遠くへ行く訳でもない。

何の実感も湧かない卒業。

劇的な変化がない分、卒業の二文字が妙に違和感を感じさせる。

「でもさ」

琥珀は刹那の顔を見上げた。

「何かが変わってるんだろうね。中等部を卒業した事で、確実に刹那君は一つ大人になってるんだよ」

「……」

それは、いつも傍らで彼を見ている琥珀にしかわからない変化なのか。

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