【完】あんたなんか知らないっ!!







田渕くんがいなくなったあと、なんとなく気まずいままの私たち。



「...時間までに何か買って座ろう。」



「う、うん。
私チョコバナナ食べたいなー」



それからたくさん買って、射的では可愛いキーホルダーのぬいぐるみを取ってくれたりして。

なんだかんだであっという間に過ぎてしまった。



「ここでいいか??」



川沿いに着くと、少しスペースの空いたところに座った。



「「今日さ」」



「お先にどうぞ...」



「あ、ありがと。」



私は少し翠の方に体を向ける。


『あいさつとお礼は、人の目を見て』

お母さんが教えてくれた数少ない言葉。




「今日は、誘ってくれてありがとう...
すごく楽しかった。」



「お、おう。
俺も楽しかった。」



暗くてちゃんと見えなかったけど、きっと笑顔だったよね??





「碧海、好きだよ...」





なんて呟いている声は、私には届かない。



< 152 / 243 >

この作品をシェア

pagetop