【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!


「うーーん。まだ手離したくないし、近くの保育園に空きが無いから待機中」

三月生まれというのもネックで、月齢が低いとそれだけ保育園の入るのは難しい。

「早く、春月堂を手伝いたい気持ちもあるけど」

「佐和子さんへの弟子入りは?」

「本格的にしていきたいなら、――今は急いじゃ駄目って。私もそう思う」

残念ながら、自分の要領のなさ、悪さには自信がある。

きっと、家事と子育てと書道なんて上手く両立できない。

それに、桔梗さんが一人で取り仕切ってくれてる春月堂だってお世話になったのに、すぐに関係ないと放り出したくないし。


「色々ね、悩むの。英語と日本語、両方で会話して育てていこうか、それは負担にならないのか。言語も大切だけど、小さな頃の純粋な心で、日本の四季を感じて心を養って行って欲しいとか。私は親が決めた稽古事がばりで嫌だったけどこの子はどうしよう、自分で言えるかな、私は背中をおしてあげれるかな、とか」

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