Happy Helloween
こちらには、お姫様と騎士様がいます。





今日はハロウィーン。


目のところだけをくり抜いたシーツを頭からすっぽり被って、暗くなり始めた街を歩いていく。




目の前には木造の小さなおうち。


人が住んでいるのかもわからないほどの小さくで地味な家なのに、その玄関のところには不敵に笑うちょっといたずらっぽい顔のカボチャがいた。


…しかも、ちゃんと明かりも灯っている。





「(行ってみようかな。)」



あんまり他の子どもは来なさそうだから、お菓子がたくさん用意してあるかもしれない。





――ピンポン、



「いらっしゃい!!!」



え!!早い!!!



「え、えっと…トリックオアトリート!!」


「きゃあああああああ!マジできたああああああ!!軽穂!!軽穂!マジで来たよ!!かんわぃいいいいいいい!!!」


「ちょ、とりあえず落ち着け。」






例の言葉を言った瞬間、ビックリするようなハイテンションで目を輝かせた女の人に驚きすぎて、何の言葉も出てこなくなってしまった。






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