クリスマスの約束

君じゃなきゃ





体育館まで行くと他の人に見られるだろうと思い、裏門で待つことにした私。


私が小山くんと帰っていた道は裏門。

ほとんどの生徒が校門から帰る中、人気の少ない裏門を通っていた。



「さむい…」


手を擦り合わせなんとか寒さを耐え忍ぶ私。


早くこないかな…?


こつこつ…


遠くで足音が聞こえる。


小山くんかな?


どんどん近づいてくる足音に私の鼓動も早くなる。



「あれ?沙雪ちゃん?」


「…先輩」


少し前なら、すごく嬉しくて舞い上がっちゃっていたのかもしれない。


「最近来てくれないから、なんだか寂しいな…それに、来てくれないと元気のないやつが一人いるんだけど」


「え…?」


「あれでも、うちの有力選手なんだよねぇ…喧嘩でもした?もしそうなら、早く仲直りしてくれないかな…?」


えっと…?

戸惑う私に微笑みかけ、


「最近、練習終わっても小山が体育館で自主練してんだよね〜」


…!


今までの話って…小山くんのこと?!



「ほら、早く行ってきて!早くあいつの元気取り戻してほしいからさ」


そう言って笑いながら背中を押してくれる先輩。


「あっありがとうございます」


そう言って先輩に一礼してから、体育館へ向かった。
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