クリスマスの約束

12月25日




それから、幾つか日が経ち、ついに12月25日。

そう、今日はクリスマスです。


最初に約束したとき、私は先輩にするという約束だったのだけれど、冬雅とこの約束を果たした私。


いつもより気合を入れ、白い膝上のワンピースに、ピンクのコート。

不器用なりに頑張って巻いた髪。


気合入れすぎちゃったかな…?


ワンピースの裾を少しつまみながら、そんなことを考える。


まだかな?


そう思い、駅の方を見ると、丁度こちらに向かって手を上げ小走りで近づいてくる冬雅が見えた。


「ごめん、遅くなって」


「あっ、ううん。今来たところだよ」


そう言いにっこり笑うと、冬雅も微笑み、私の手をとった。


「冷たくなってる」


「そんなことないよ」


そう言うと、困った顔でこちらを見るので、


「…じゃあ、温かくなるまで手繋いでてよ」


そう言うと、


「温かくなるまでで良いの?」


そう悪戯っぽく聞かれる。


「なかなか温かくならないからね、もしかしたら今日一日中かかるかもしれないよ」


仕返しにそう答えておいた。
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