Sweet Love
「由愛?」



「工藤先生…」



振り返ると花束を持った工藤先生がいた



「ずっとここにいたのか?」



「はい…報告してて…」



「そうか。あれから10年か…」



「そうですね。私がここまで来れたのはお母さんとお父さんと…工藤先生のおかげです」



「俺…?」



「はい。お母さんが死んじゃった時、私本当にどうしたらいいのかわかりませんでした。だけど、工藤先生があの時1人じゃないって言ってくれてすごくうれしかったんです」



「あれは、お前が今にも消えそうになってたから…」



「もし、あの時工藤先生に会えてなかったら私はここにいません。私が高3の最後に告白しなかったのはそれがあったからでもあるんですよ」



「どういうこと?」



「私は、工藤先生に追いつきたかったんです。いつか先生になって工藤先生と一緒に仕事ができたらなって思ったんですよ」



「由愛…」



「そしたら、叶いました。結婚までできるなんて夢みたいです」



「夢じゃないだろ?」



「そうですね」



そう言ってお互いに笑った



「お母さんとお父さんに幸せになってねって言われました」



「え?」



「不思議ですよね。声がしたんです。お父さんとお母さんの」



「そうか…そんなこともあるんだな…」

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