絶望の部屋(再)
部屋につき1人で片隅に座っていると一也の私物がその辺に散らばってるのを見て僕は1人でそれをひらって片付け始めた。
 
 
「ちゃんと片付けぐらいしろよな。
 
お前が居なかったは1人で僕がお前の分まで片付けないといけないじゃないか…」
 
 
このゲームが始まる前四人でこの部屋で盛り上がって喋ってたことが昔に思えてきた。
 
 
1人にしては広過ぎるこの部屋のど真ん中の椅子に周りを見渡しながら一也の服をたたんでいた。
 
 
服をたたんでいるとポケットからふとなにが落ちた。
 
 
「なんだよ一也…。お前こんな写真まだ大事に持ってたのかよ…」
 
 
その写真は僕と希と一也が高校に入学することができた日記念にいつもの神社で撮った写真だった。
 
 
写真の中の僕らは楽しそうで最高の笑顔で写っていた。
ここに来てそんな笑顔なんか見てなかったせいなのか写真を見て懐かしく思ったのかまた涙がこみ上げてきた。
 
 
「もう会えないなんてさみしいよ一也…。
 
1人にしないって言ったじゃないか…」
 
 
写真を握りしめ僕は床に倒れ込むように泣いた。
いつも守っていてくれた一也。
どんな時もどんなことがあっても一緒にいた一也ともう会えないなんて僕の人生には考えられないことだった。
 
 
孤独の淵に立たされ1人で写真を見てうつむいたまま座っていると空耳だと思うが一也の声が聞こえたような気がした。
 
 
「いつまでも落ち込むな。前向いて進めばいいことあるはずだ。」
 
 
ほんとに聞こえたのかと言うと微妙なとこだがでも確かに心の中にそう聞こえてきた気がした。
 
 
 
もう下を向かないって決めたじゃないか、いつまでも過去を引きずってメソメソ泣くな。
 
 
僕にできることは僕の大切な人達を守ること。
これは一也の願いであり僕の願いでもある。
 
 
今やれることをやる。泣きたければ泣けばいい。だけど本当の涙はみんなで笑顔で外に出られる時までとっておこう。
 
 
 
死んでもまだ僕の背中を押してくれる一也の存在は僕にとってはかけがえのないもの、だから忘れることなんて出来ないけど現実から目を背けるのはもうやめよう。
 
 
だから何処かで僕の姿見ててね一也。僕もう一度頑張ってみるからさ。
 
 
そして今まで本当に心配かけてごめんそしてありがとう…そしてさようなら。
 
 
僕は一也が大事にしていた写真をそっと懐のポケットにしまっておいた。
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