あのね、先生。

――――――
―――――――…

一度だけ来た先生の家の場所は、何となくだったけど覚えてた。先生が言ってたカフェも、すぐに見つかった。

小さなそのカフェは、多分男の人が1人で入っても大丈夫。

だからきっと先生もたまにここに来てるんだろうなって。


「ご注文はお決まりですか?」

「あ、えっと…じゃあオレンジジュース」

「かしこまりました」

グルグルと頭の中を回っていた罪悪感と共に、先生に会えるドキドキが加わる。

あたし浮かれてる。

こんな風に思っちゃダメだって分かってるけど、先生に会えるってだけでこんなにもドキドキしてるんだ。

一度先生の家に入った時は、突然だったから何が何だか分からなくて。

だけど今日は違う。

突然でもないし、連絡をしたのはあたしから。だから余計にドキドキしてる。
< 137 / 328 >

この作品をシェア

pagetop