あのね、先生。
高校生になったら中学生に戻りたいって思うし、大学生になったら高校生に戻りたいって思う。
あたしにとって学生生活が、そう思えるような楽しいものだったから。
「俺ね、茉央ちゃんがいたらもっと楽しいのになーってよく思うよ」
「そうなの?」
「うん。でも結局どこにいたって考えちゃうから、やっぱり俺茉央ちゃんじゃなきゃダメみたい」
先生はやっぱり天然だ。
こんな言葉を、少しも照れずにサラッと言ってしまうんだから。
言われた方が照れてしまう。
「先生…」
戻ってきた先生はあたしの隣にストンと座って、手をギュッと握った。
「でも、俺のじゃないから」
…先生の辛そうな顔なんて、見たくなかったのに。
「会いたくても触れたくても、いつも加地くんが気になんの」