あのね、先生。

誰にも話さずに心の中に留めてたら、多分こんな風に普通に2人のことを話せなかった。

「蓮くんも後悔してんじゃねぇかな。」

「…してるよ、きっと」


加地が悪いってわけじゃない。

だってあいつ、多分咲良のことを考えて蓮くんに忠告したんだと思うから。

俺だって同じ気持ちだったよ。

先生と生徒なんて上手くいくわけないって。いつか泣く日が来るって。

俺はそう思ってても本気でどうにかしようと行動出来なかっただけ。


「白城くんの話聞いてたら分かるもん。先生が本気で茉央のこと好きだったって」

蓮くんは咲良のことを考えて手放したのかもしれないけど、咲良はそんなことちっとも望んでなかった。

…ちゃんと話し合えば、そんなすれ違いは起きなかったかもしれないのに。

「お互いが相手のことを想いすぎて、見えなくなっちゃったんだろうね」

蓮くん、ほんとバカだよ。

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