あのね、先生。

｢せんせ？｣

『んー、んふふ、中村先生照れてどっか行っちゃったよ』

｢中村さんらしいね。ほんとにツンデレなんだから｣

中村さんの存在はあたしの中で結構大きいものだった。

高校生活を過ごす上でいてもらわなきゃ困っちゃうくらい、大きい存在。


『茉央ちゃんのことが可愛くて仕方ないんだろうね、ついついかまっちゃうみたいな感じだよ、きっと』

｢何それ、妹みたい｣

『んふふ、そんな感じかも』

そうか。中村さんにとってあたしは妹みたいな存在で。だから危なっかしいあたしを放っておけないんだ。


『そういえば、どうしたの？』

｢え？｣

『用事があったんじゃないの？』

先生のその言葉に、電話をした本来の目的を思い出した。