あのね、先生。

「そ、じゃあ俺もやめとこ」

「いいの?」

「正直半年しか通ってねぇから、そんなに思いれもないし。先生学祭に来るなら、そこで会えるじゃん」

そっか、優真は転校してきたから。

そういえば半年しか通ってないんだっけ。

そんなこと忘れるくらいずっと一緒にいた気がする。半年だなんて思わせないくらいに。


「そうだね、あたしも学祭で中村さんに会えるからいい」

「高橋も行くって言ってたから、その日どっか行くか。2人だし。」

「いいね、行こう」

歩いて帰れる距離にある優真の家は、最初来たとき思ったよりも綺麗で驚いた。

あたしが想像していたのとは違って、たくさんあるマンションの中の一つ。


「俺荷物持つよ」

「いいよ、軽いし」

「その代わりカート押して」

< 8 / 328 >

この作品をシェア

pagetop