トリック・オア・トリート*甘いお菓子で誘惑を。
かずきは私を抱きかかえたまんま、私のベッドに座る。
「昨日は悪かった…」
「……別に」
未だにかずきに抱きついて肩口に頭を置いたまま返事をする。
「ほら、これやる」
これってなんだろう?
疑問に思った私は顔を上げて、かずきの方を見る。
意外とかずきの顔が近くにあって驚いたけど、目の前に出されてる物の方が驚きが大きかった。
「これ、昨日のクッキー…」
どうして私に?
そんな思いでかずきを見る。