だから、好きだって言ってんだよ
陽平の彼女


もう!


もう……。


もう……!


色んなことがよくわからない。


なんであんなに怒ってたの?



話せなくなって、胸が苦しい。


心が痛い。



頭を抱えて机に突っ伏す。


いろいろ考えすぎて、完全にキャパオーバー状態。



それでも、話したい……。


陽平と、ちゃんと話したい。


でも……話しかける勇気がない。



「あいりん、教科書見せて?」



「…………」



授業が始まる1分前、またもや坂上君のいつものお願い攻撃を受けた。


無言で机をくっ付け、その真ん中に教科書を置く。


2日に1回は、こうして坂上君に教科書見せて攻撃をされている。


いい加減にしろよと言いたいけど、言っても変わらない気がするからスルー。


最近じゃこうやって教科書を見せるあたしが悪いのでは?なんて思い始めた。



「サンキューね。いや~、本当助かるよ」



「今度お礼してよね」



ホント、冗談抜きで。


それくらい、坂上君に貢献してると言っても過言ではない。



「うん、するするー!」



「…………」



絶対しないでしょーが!


< 257 / 303 >

この作品をシェア

pagetop