真っ直ぐな気持ち
 秋も深まり冬が来た。
 推薦の子達は、そろそろ行き先が決まり、就職組も、内定者が現れ始めた。
「美夏、決まったよ!」
 そう叫びながら、教室に入って来る篠原。
「ホント? おめでとう!」
 美夏より先に、彼の就職が決まった。
 アミューズメント関係の営業だ。
「俺がちゃんとした社会人になれるなんて、嘘みてーだ」
「潤くん、頑張ったもん」
「ありがとう、俺お前のおかげで変われたんだ」
「何言ってるの。潤くんが努力したからじゃない」
「美夏がいたから頑張れたんだ。俺、仕事頑張るよ」
「うん。頑張って」

 
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