私に恋をしてください!
そこからしばらく沈黙が続いた。
葉月に俺の過去を受け入れて欲しくて、考えてもらう時間を作りたかった。

『ずっと、黒い十字架を背負っていたんだね、ソラ』

沈黙を破り、葉月が静かに言葉にしたのは、俺の手を握りながらの柔らかい声だった。

『私、それを下ろしてあげられるかな?』
「葉月?」
『私がたくさんソラを愛せば、ソラのその苦しみが人生の教科書のように思えてくるかな』

人生の教科書か。
それを読んだことで、最大の後悔を得てしまった。

「これからは、その教科書は葉月と一緒に読んで行きたいな」
『うん。一緒にね。必ずだよ』
「それに、十字架はもう下ろされているよ。なぜなら・・・」

元々近くにあった葉月の唇に俺のそれを寄せた。

「昨日は、2人で最高の夜を過ごしたこと、忘れたとは言わせないぞ」

俺の言葉に微笑んだ葉月が、最高に可愛くて・・・

その場で互いを求め合う流れは、ごく自然なものだった。

つい昨日まで、好きな女性の前で男になれなかった俺。
でも、葉月が可愛くて、大好きで・・・

どんどんその感情をぶつけたいと思う自分の変化に驚くも、幸せに満ち溢れた時間になった。
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