私に恋をしてください!
「なら、お母さんと温泉にでも行ってくればいいじゃん。土日は時間が出来るんでしょ?」
『ちょ、ちょっと葉月、何を言っているのよ』

"さっきは離婚を勧めてきたくせに"と、お父さんには聞こえないくらいの小声でキッチンから私に伝えるお母さん。

『お母さんは、私が休日に家にいない方がいいんじゃないのか?いると肩が凝るし、ご飯の用意はしなければならないし、いい事何もないだろ?それなのにあえて休日に温泉にふたりで行くなんて、お母さんにとっては"拷問旅行"だと思う』

完全なる夫婦の溝。
いや、それが最初から続いていると言うから、"結婚生活は忍耐だ"なんて雑誌で読んだけど、その通りなのかもと思ってしまう。

確かに私はお母さんに離婚を勧めた。
でも、その後のソラの"丸ごとみんな幸せになって欲しいな"という言葉に、私はすっかり絆された。

仲良くなって欲しい。
マスターによる第三者の選定が待たれた。
お父さんとお母さんの仲を取り持ってくれるヒーローかヒロインが現れることを、強く願った。
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