それでも、やっぱり君が好き。


 その瞬間に、茜が頬を朱に染めて凛に抱きついていた。



「そ、その条件ってオレのやつか!?」



「さすが凛だね! ふふ、ふふふふふふっ」



 完璧スルーされた。



 茜はなんかニヤついている。

 引いたわー……。ドン引き。



 と、耳に馴染みのあるチャイムが聞こえた。



 オレが焦って二人を見ると、



「じゃあお昼来てよ。じゃあ」



 茜が凛の背中を押しながら、階段を駆けていくのが見えた。


 『じゃあ』がかぶって妙な台詞になっている。



 おい待て、お昼、来てよ……?


 まさか一緒に食べれるのか!?


 なんという幸せ!!



 って……



「急がなきゃやべえぇぇぇぇぇ!!」



 オレは必死に廊下を走り、すでに先生の立っている教室に飛び込んでいった。


 それは、火曜日のことだった。


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