玲汰、知ってる?
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「おい」
そして家に帰って部屋でゴロゴロしていると、
莉緒がドアの前で仁王立ちしていた。
今日は珍しく杉野と帰ったからこいつとは別々だった。なのになんでここにいるんだろう。
「ってかさ、どうやって家に入ってきてんの?」
鍵は閉めた。窓も閉まっている。それなのにいつもいつも平然と莉緒は家に上がり込んでくる。
「今日おばさん帰りが遅いんだろ?だから玲汰をよろしくってメールが来てた」
俺を質問を無視するのはいつものこと。莉緒は俺よりも母ちゃんと密に連絡を取っているんじゃないかと思う。
「今日は私が特別に晩ごはんを作ってやるよ」
そしてニヤリとほくそ笑む。
「いやいや、いいよ。冷凍食品とかインスタントとか色々あるし、最悪コンビニ弁当でも……」
「遠慮するなよ。私はおばさんから玲汰をよろしくって頼まれてんだよ。よろしくしてやってるのは今日に限ったことじゃないけどな」
そう言う莉緒の手にはなにやらキラリと光るものが。
「あー!お前……っ」
見覚えのある形状。どう見てもそれはうちの鍵。
さすがに盗んだわけじゃないと思うから恐らく母ちゃんが予備の鍵を莉緒に預けたんだろう。
だから俺が引きこもってる時も今も簡単に家に入ってきてたんだ。ようやく理由が判明した。