チョコミントが溶ける頃に
その噴水を彩る色はクリスマスを連想させるような色ばかりで、まるで光の粒が水と一緒に湧き出ているようだった。
「わぁ……! 綺麗……」
突然ライトアップされた噴水は、今まで素通りしていった人の足を止め、幻想的な雰囲気を醸(カモ)し出している。
ぼくもほぉ、とため息をついた。
噴水に目を奪われていた生嶋さんが、いきなりぼくの方に振り返る。
「ねぇ世尾くん、このこと知っててフードコート来たの?」
“どうだろうね?”と“そうだよ”。
どちらを口に出そうか一瞬迷ったけど、先程秘密にしたのだからここでは素直に言っていいと思った。
「うん、まぁね」
さすがに“そうだよ”と言うのは恥ずかしくなり、……あんまりかっこよく言えなかった。
彼女は小さく驚いた顔をして、すぐに愛しそうな、そんな表情になって花のように優雅に微笑む。
「ありがとう」
出された言葉はたった五文字だけだけど、その中に色んな想いが詰め込まれているの、分かってるよ。
だって、表情がそう語っているから。