狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

Ⅹ―ⅹ 第四位か五位の王?


気を取り直したアレスたちは次の目的地へと急いだ。立ち止まり話を続ければあっという間に日が暮れてしまう。この異空間で馬を走らせようものならば、彼らは混乱しまともに走ることが出来ないだろう。よって、翼もない彼らは徒歩でいくしかないのだ。


「次はあの扉ですね」


アレスが加護の灯を掲げた先には漆黒の巨大な扉が重苦しい雰囲気を漂わせ、一行を待ち受けていた。


「そうだ!あれは第四位か五位の王がいるところだな!!」


「なんだよおっさん!!その適当な言い方!」


ブラストの曖昧な物言いにカイが珍しく厳しい言葉を投げつけた。それだけ彼の使者としての心構えが成ってきているということだろうか?


「大魔導師殿がいたら率直に答えられただろうがな、俺はあまりそういうことに詳しくないっ!」


「はぁーっ!?それでもあんた教官かよ!!」


見かねたアレスがカイをなだめながら囁いた。


「カイ、ブラスト教官が知らないわけないだろ?あの方は私たちが直接目でみて感じたことを大事にするようにとわざと知らないふりをしているんだよ」


「あいつに限ってそれはねぇ!!」


断固として認めないカイだったが、徐々に近づいてくる扉を見ながらテトラが言葉を発した。


「それなりに気を付けたほうがいいと思うよ」


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