狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

ⅩⅩⅩ―ⅳ 異物の排除Ⅳ







"―――…私を守ろうとしないで…あなたの代わりはいないのだから―――"






脳裏をよぎるのは優しい少女の声。
そして…





"―――それは私とて同じ…全力で貴方を守ると決めた…この命はお前のものだ―――"






艶やかな長い黒髪に…夜の色をうつしたような紫水晶(アメジスト)の瞳…。
誠実な彼に真っ直ぐな眼差しを向けられた少女だが…彼女は首を振り悲しそうに視線を下げた。






"―――お願い…そんな事言わないで…―――"







「…?…」







アオイは不思議な声に一瞬気を取られてキョトンとしてしまった。




すると…





「んふっ…はぁいっ!!…もう待ってあぁげぇなぁいっっっ!!」






―――自分に酔いしれるようなウィスタリアの声が響き…赤子の顔を下に向けた彼女は勢いよくその振り落した―――…





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