狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

XXXII―ⅹ 揺れる心Ⅹ




黙ってしまったキュリオにガーラントの言葉は続いた。



「それに…キュリオ様はご公務もありますゆえ、そのうちアオイ様を連れて歩く事も出来なくなるでしょう…」



「…あぁ…」



(そろそろ潮時か…)



「姫様付きの守り人をそろそろお決めになってはいかがですかな?」



大魔導師の提案は以前、雷の王・エデンが言っていた事だ。そしてそれはキュリオも同じ考えで…



「あぁ…最初その予定だった。精霊の国から戻った時、アオイの体調が安定さえすれば…彼女と年の近いあの二人をと考えていたんだよ」



「あの二人とは…?」



初めて耳にしたキュリオのその言葉にガーラントは食いついてきた。



「エデンも随分気に入った様子だった。これからの悠久を支えてくれる若い剣士と魔導師さ」



"俺の独り言だが、悠久の使者として来た二人のチビたちだがな…なかなか良い目をしていたと思う"



「エデン王が?…ほぉ…これは、カイとアレスの事ですな!」



二人を孫のように見守っていたガーラントは嬉しそうに目元をほころばせ、キュリオの意見に賛同した。



「キュリオ様、アオイ姫様のためにも大変よろしい選択じゃと思いますぞ。正義感の強いカイに、治癒の心得があるアレスならば…きっとお役に立てますのじゃ!」



俄然やる気を出した大魔導師は力強く拳を握りしめると、急いで二人の元へと知らせに行こうとキュリオに背を向けた。



「待ってくれガーラント。私も今回の件で色々考えさせられる事があったからね…明日の朝、まずは城の者を集め彼女の紹介を兼ねて皆に頼みたい事があるんだ」



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