狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXⅤ―ⅵ キュリオとダルドの出会いⅥ
「…キュ…リオ…」
差し出されたキュリオの手が嬉しく、ダルドも右手を伸ばしたその時…
―――ガサガサッ
二人の背後で不気味にその身を揺らした草木たち。
「…っ!!」
いうまでもなく、その音に激しく動揺を見せたのは人型聖獣のダルドだ。
「…っだ、だめ、…ぼ、僕…一緒にいけなっ…」
伸ばした右手をダルドは勢いよく引込め、何かに急かされるようによろよろと立ち上がる。