狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆アオイの適職?そのⅡ
またまたやってきましたショートストーリー!今回は長くなりそうですよおっ!!
前回に引き続き、別Verのアオイの適職?そのⅡをお送りいたします!!
出演:キュリオ
アオイ
シュウ
カイ
ジル
その他
―――…
「アオイ様、そろそろ起きませんと…遅刻してしまいますよ?」
なかなか起きない年頃の姫を揺さぶるのは、彼女より6歳ほど年上の城守(しろもり)で剣士のカイだ。
「…う、うん…あと5分…」
「…5分って言いながらもう3回目になりますけど…」
小さくため息をつきながらカイはクローゼットへと近寄り、彼女が纏うであろう学校の制服を取り出すとベッド傍までもってきた。
それからさらに5分後…
時計を気にしながら、カイはそわそわと室内を歩き始めた。
温めておいたホットミルクや焼き立てのトーストはすでに冷たくなり、朝食を予定していた時刻が大幅に遅れていることを意味している。
(もう食事をしている時間が…)
カイはまだ起きる気配のない姫君を横目で見ながら、足早に部屋を出ていく。
そして、すぐに戻った彼の手にあったのは…冷たいミルクにヨーグルトを混ぜ、ストロベリーのジャムで味を整えた朝食代わりの爽やかな飲み物だった。
それをテーブルに置き、カイはベッドの傍までくると…
「アオイ様っ!!本当に遅刻してしまいますよっっ!!」
眉を吊り上げ、腰に手をあてた彼はやや大きめの声を彼女の頭上から浴びせた。
「…っ!!は、はいっ!!」
寝ぼけた様子の彼女は教師に怒られたと勘違いしたのか、敬語で即答し、驚きにベッドから飛び上がった。
そんな可愛らしい姿にカイは苦笑しながら飲み物のグラスを手渡した。
「おはようございますアオイ様。もう時間がありません。こちらをどうぞ」
はた、と彼と目を合わせたアオイは…
「お、おはようカイ…ありがとう」
見せてしまったであろう恥ずかしい寝ぼけ具合にアオイの頬はどんどん赤く染まっていく。
ゴクゴクとアオイの喉を通る優しい甘味に、徐々に意識が覚醒していき…
「…いま何時っ!?」
「7時50分です」
「…えぇっ!?…どうしようっっ!!」
ガバっとベッドから飛び降り、足首まである寝巻を勢いよく脱ぎ捨て、薄い下着姿のまま扉を隔てた隣りの湯殿へと駆けこむ彼女。
バタバタと足音が響き、すぐに湯に飛び込む水音が響いた。
「これでまた…キュリオ様のカウントが1つ増えてしまいそうですね」
笑いながら彼女が脱ぎ捨てた寝巻を拾い、取り出した大きめのタオルと制服を手に、そのまま湯殿を目指す。
「お急ぎくださいアオイ様。タオルと制服…ここに置いておきますね」
『わかったっ!!ありがとうカイ!』
アオイの返事を確認したカイはそのまま湯殿を出ると、鏡台(ドレッサー)の前で彼女を待つことにした。
やがてドタドタと慌てた彼女の足音が聞こえ…かたちばかりに着こなした制服に頭にはタオル、というなんとも違和感のある恰好でカイの前に飛び出してきた。
「どうぞお座りください。お手伝いいたします」
椅子をひいてアオイを座るよう促すと、呼吸が乱れた彼女は頬を蒸気させ…
「うんっ…簡単にでいいからっっ」
ワシャワシャと乱暴に頭をかき混ぜるアオイの手からタオルを奪い、カイは優しく彼女の髪から水気を拭きとっていく。
そして、艶やかな髪が傷まぬよう…わずかなオイルを手にとり、櫛で優しく整えていく。
やがて…
「出来ました」
カイの声とふわりと香る優しい匂いに心癒されながら、アオイは勢いよく立ち上がった。
「あ、ありが…」
礼を言おうと振り返った彼女だが、カイはアオイの胸元のリボンが曲がっている事に気が付き手を伸ばした。
一度ほどき、綺麗に結び直してくれたカイはにこりと笑い一礼して下がる。
「いいえ、どういたしまして」
「ただいまの時刻、8時15分でございます」
「ぎゃぁああぁああっっ!!」
前回に引き続き、別Verのアオイの適職?そのⅡをお送りいたします!!
出演:キュリオ
アオイ
シュウ
カイ
ジル
その他
―――…
「アオイ様、そろそろ起きませんと…遅刻してしまいますよ?」
なかなか起きない年頃の姫を揺さぶるのは、彼女より6歳ほど年上の城守(しろもり)で剣士のカイだ。
「…う、うん…あと5分…」
「…5分って言いながらもう3回目になりますけど…」
小さくため息をつきながらカイはクローゼットへと近寄り、彼女が纏うであろう学校の制服を取り出すとベッド傍までもってきた。
それからさらに5分後…
時計を気にしながら、カイはそわそわと室内を歩き始めた。
温めておいたホットミルクや焼き立てのトーストはすでに冷たくなり、朝食を予定していた時刻が大幅に遅れていることを意味している。
(もう食事をしている時間が…)
カイはまだ起きる気配のない姫君を横目で見ながら、足早に部屋を出ていく。
そして、すぐに戻った彼の手にあったのは…冷たいミルクにヨーグルトを混ぜ、ストロベリーのジャムで味を整えた朝食代わりの爽やかな飲み物だった。
それをテーブルに置き、カイはベッドの傍までくると…
「アオイ様っ!!本当に遅刻してしまいますよっっ!!」
眉を吊り上げ、腰に手をあてた彼はやや大きめの声を彼女の頭上から浴びせた。
「…っ!!は、はいっ!!」
寝ぼけた様子の彼女は教師に怒られたと勘違いしたのか、敬語で即答し、驚きにベッドから飛び上がった。
そんな可愛らしい姿にカイは苦笑しながら飲み物のグラスを手渡した。
「おはようございますアオイ様。もう時間がありません。こちらをどうぞ」
はた、と彼と目を合わせたアオイは…
「お、おはようカイ…ありがとう」
見せてしまったであろう恥ずかしい寝ぼけ具合にアオイの頬はどんどん赤く染まっていく。
ゴクゴクとアオイの喉を通る優しい甘味に、徐々に意識が覚醒していき…
「…いま何時っ!?」
「7時50分です」
「…えぇっ!?…どうしようっっ!!」
ガバっとベッドから飛び降り、足首まである寝巻を勢いよく脱ぎ捨て、薄い下着姿のまま扉を隔てた隣りの湯殿へと駆けこむ彼女。
バタバタと足音が響き、すぐに湯に飛び込む水音が響いた。
「これでまた…キュリオ様のカウントが1つ増えてしまいそうですね」
笑いながら彼女が脱ぎ捨てた寝巻を拾い、取り出した大きめのタオルと制服を手に、そのまま湯殿を目指す。
「お急ぎくださいアオイ様。タオルと制服…ここに置いておきますね」
『わかったっ!!ありがとうカイ!』
アオイの返事を確認したカイはそのまま湯殿を出ると、鏡台(ドレッサー)の前で彼女を待つことにした。
やがてドタドタと慌てた彼女の足音が聞こえ…かたちばかりに着こなした制服に頭にはタオル、というなんとも違和感のある恰好でカイの前に飛び出してきた。
「どうぞお座りください。お手伝いいたします」
椅子をひいてアオイを座るよう促すと、呼吸が乱れた彼女は頬を蒸気させ…
「うんっ…簡単にでいいからっっ」
ワシャワシャと乱暴に頭をかき混ぜるアオイの手からタオルを奪い、カイは優しく彼女の髪から水気を拭きとっていく。
そして、艶やかな髪が傷まぬよう…わずかなオイルを手にとり、櫛で優しく整えていく。
やがて…
「出来ました」
カイの声とふわりと香る優しい匂いに心癒されながら、アオイは勢いよく立ち上がった。
「あ、ありが…」
礼を言おうと振り返った彼女だが、カイはアオイの胸元のリボンが曲がっている事に気が付き手を伸ばした。
一度ほどき、綺麗に結び直してくれたカイはにこりと笑い一礼して下がる。
「いいえ、どういたしまして」
「ただいまの時刻、8時15分でございます」
「ぎゃぁああぁああっっ!!」