狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

✿ショートストーリー☆アオイの適職?そのⅩⅥ



あまりにも唐突の事で唖然としてしまったアオイは抵抗することなくセンスイの腕の中に引き寄せられていく。


「アオイさん…」


真剣なまなざしを受け、驚きに目を見開いているアオイ。


するとセンスイの手がゆっくりとアオイの太ももの間をすべり…


「…っ!?」


はっとした彼女はビクリと体を震わせて、怯えた瞳をこちらに向けてくる。


(こんな子供に感情を乱されるとは…)


センスイは平静を装いながら言葉を発した。


「…包帯、ご自分で取り替えたりなさいませんように。明日も空き時間にお待ちしております」


真剣な表情から一変、ニコリと崩された美しいセンスイの顔。


「は、はい…」


拍子抜けしたアオイはほっと息をついたが、彼の手は一向に離れる気配がない。


「…?」


回された手に戸惑い、小動物のような動きを見せる彼女。


「このままあなたを茶室までお運びいたします」


センスイは笑顔を絶やさぬままアオイの膝裏へと腕を差し入れ、もう一方の手は彼女の背を通り…しっかりと肩を抱いた。


「きゃっ」


小さく悲鳴を上げる彼女だが、その可愛らしい唇から思わぬ言葉が飛び出し…わずかに高揚した私の思考を現実へと引き戻していった。



「…お、おろしてくださいセンスイ先生っっ!!
アラン先生に見られるわけにはいかなくて…っその…」



(…アラン…?)



彼女が見られると困るという、新たな男の存在。


そして知らず知らずのうちに平凡な?アオイへと嵌(はま)り始めるセンスイの心は一体何を意味しているのだろうか…


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