狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

✿ショートストーリー☆キュリオの願望?そのⅩⅩⅩⅨ


「おとう…さま、それで一体何を…」


「私は言ったはずだ。お前の"翼"と成り得るものが…アレスやカイだとは思いたくない…と」


「はい…」


(たしかにそう言われた事がある…でも…それっていつの記憶…?)


「翼がないのに飛び立とうとするお前を傍に置いておくためには…縛り付けてしまうのが一番だとは思わないかい?」


まるで鞭を構えるようにバスローブの腰紐を左右に引いたキュリオが笑みを浮かべながらアオイへとにじり寄ってくる。


「…え?縛り付けてるって…まさか…私をですか?」


「他に誰がいる?」


間髪入れず、笑みを消したキュリオ。


「…っ!!」


ただならぬ危険を感じたアオイは、胸元を隠した腕はそのままに体勢を変え、ベッドから降りようと勢いよくキュリオに背を向けた。


「…もう逃がさない」


「きゃっ…」


腹部に手をまわされ…強い力で抱き寄せられたアオイはキュリオの膝の上に座らせられるようにいとも簡単に捕獲されてしまった。


「どうしてお父様…っ!!わたしは…私は娘なのにっ!!」


「そうだね…あの日、聖獣の森で眠っていたお前が必要としていたのは…優しく愛してくれる"父親"だった」


そう言うとキュリオは優しくアオイのうなじへと口付を落とす。


「…っ…!!」


ゾクリとする感覚が背筋を駆けのぼり、アオイは声が漏れてしまわぬよう必死に唇を噛んでいる。



「…だがその"父親"の愛はこれで終わりだ…。長年封印してきたこの想いを…私はもう隠しきれない」


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