狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

✿ショートストーリー☆キュリオの願望?そのLⅣ


「…えぇ、もちろんお父様にも、セシエル様にもです」


(どうしてこんなに悠久の王様って優しいんだろう…置き去りにされた私に、二人は愛を教えてくれる…)


胸に広がるあたたかな想いを抱きしめ、アオイは彼らの優しさに目頭が熱くなっていく。


しかし…次に続くセシエルの言葉は冷ややかなものだった。



「アオイさん、貴方は気付いていないようだが…」



「君が人を愛せないのは…生まれつきなのかい?」



思いもよらぬ彼の言葉に、驚いた表情を向けるアオイ。


「え…?それってどういう……あ、本当の恋を知らないとか、もしかしてそういう意味ですか?」


「……」


じっとこちらを見つめるセシエルにアオイは恥ずかしそうに呟いた。


「…さすがセシエル様です。私にとって周りの人は全員、家族のようなものだから…」


あどけなさを残した可憐な少女は心を見透かされたと思ったのだろう。決して自分をよく見せようと偽りを述べているわけでもなく、本当にそうなのだと彼女の表情でわかる。



「なるほど…」



(アオイさんの言葉は全て真実だ…だが、何か…彼女に違和感のようなものを感じるのは私の気のせいなのか?しかし…)



そんな違和感を振り払うようにセシエルは一度瞳を閉じた。そして、その美しい瞳がもう一度開かれると…



「…貴方に"イイ人"がいない事はわかった。これで私にも望みが生まれたということに変わりはないね」



「ふふっ、セシエル様ったら」



こうしてセシエルの真っ直ぐな想いが、アオイの心にひとつの色を落としたのであった―――。




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