狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

その42

「おい…何言ってんだよ…笑ってる場合じゃねぇだろっ!?なんで…またあれが…っ…」


ドクドクと嫌な音をたてる鼓動に、冷や汗がどっと流れ出た。


「…くっそ…!!クジョウが無理ならお前がっ…ヤマトッ!!いつまで眺めてんだっっ!!」


不気味なほどに冷静なヤマトの前に立ちはだかるソウガ。


「…っ絶対にセンスイもクジョウも死なすなっっ!!敵対してる相手が必ずいるはずだっっ!!そいつも死なせるなっ!!!もちろんお前もだっっっ!!!!」


「…敵対している相手はおよそ三人。センスイが一掃してくれれば…と思っていたが…そろそろあの空間が崩壊する」


「あの空間…?」


水鏡の一角を見つめながら指先で刀の柄を撫でているヤマト。そして…はっと振り返ったソウガ。


「なんだ…?あの歪(ひず)み……」


「…お前なにか知ってるのか…?」


肩越しにヤマトを振り返ったソウガだが、すでに彼の姿はどこにもなかった―――。


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