狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

召集Ⅱ

ブラストのすぐ後ろを疾走したアレスは後方の魔導師たちとの距離を確認すると早速声をかけてきた。


(これなら他の者に聞かれる心配はない)


「教官…あの」


「なんだ?」


「キュリオ様やアオイ様がいらっしゃるのは西の大地だと聞いておりますが…悠久の兵士はもちろん常駐している場所ですよね?」


「…その話だが…」


(やはりそう来たか)


勤勉なアレスはこの大国である悠久の仕組みをよく理解している。彼の師が大魔導師・ガーラントであることも理由のひとつかもしれないが…


「キュリオ様がおっしゃるには"西の館"付近らしいが…」


「"西の館"…」


(人の目を避けて建てられたという王の館…その付近に街が?)


「…俺も同じ事を考えたさ。あの先には湖が広がる静かな場所だと聞いていた」


「その…急速に発展した街が知られていなかっただけ、とは考えられませんよね」


「ああ、有り得ないな。…湖をどうにかするなんてまずキュリオ様がお許しにならないだろう。そこに住む生き物の棲家が脅かされることになるからな」



「なら…大規模な火災に発展した理由はもしかして…」



(王宮の管轄外?まさかそんな地が…)



「…自分の目で確かめるしかないだろうな」



キュリオさえ首を傾げた謎の街。

しかし…古くからあるような寂れた民家の風景にアレスとブラストの疑問はさらに加速していくのだった―――。





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