狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

悪夢Ⅳ

悲痛なアオイの叫びがこだまする中、カイが近づく気配がする。



「姫様……今までありがとうございました。キュリオ様の愛の中……どうぞお健やかにっ……」


(……俺のアオイ姫様……)



「……っ……」



穏やかな笑みのまま深く頭を下げたカイにアオイの体は小さく震えていく。




"これで……さよならです"




「…………っ！」




まるでデジャヴのように"あの"別れの言葉が脳内で再生されていく。




「……一方的なさよならなんて……絶対にいや……っ……」




「アオイ様……」




「私はそんなお別れ……絶対に頷かないっ！！」




"弱い……弱すぎる"



"力無き悠久の姫よ……戦うことさえ恐れるお前が一体何を助ける？"





(私が弱いから……誰も助けられない――)





「……このままじゃだめ……もっと強くならなきゃ……」




(誰も……守れない……っ……!!)