狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

物事の判断

「…お前が私を?」


まるで赤子を見るような目でマダラが鼻先でティーダを笑う。


「答えやがれっっ!!」


バンッと手をついたティーダが怒りのままマダラに迫る。


「騒ぐな。やたらとキュリオ殿に執着していた女だ」


「…っなんだよ!!…ったくおどかしやがって……」


(また女神とかっていうやつらの仕業か…?)


安堵のため息をついたティーダが前髪をかき上げながらドカッと椅子に座りなおす。


(…マダラはヤバい…こいつは生かすか殺すかの判断でしか物事を見てねぇからな…)


神秘的な美しさを誇るマダラの顔の横に並ぶ巨大な鎌。
柄から刃までにつながる部分の湾曲が激しく、見る者を恐怖に陥れるのはもちろん…大鎌を包むオーラはさらに禍々しく、まるで濡れたように輝く冥王の神具は物理的な能力よりも特殊な能力に長けているという噂だ。


「…随分極端な発想だな…ティーダ」


「あ?」


「私が"生かすか殺すかの判断でしか物事を見ていない"というのなら…」


「ヴァンパイアは"喰うか殺すかでしか物事を見ていない"だろう?」


<心眼の王>である彼が心を読むのは造作もない事だ。そのことを重々承知のティーダは…


「例外だってあるぜ」


真面目な顔でマダラを睨んだティーダだが、さほど気にした様子もない彼が口を開く。


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