気まぐれ男子とクール女子
「……お前……そんなの見てたのかよ……」


俺とゲームしてる時に!と怒る遼斗。

「だって、お前、ずっと悩んでたじゃねぇか、その間が長すぎるんだよ」

ただ単に視界に入っただけだった。助ける気も特になかった。殴られても他の人も遠巻きに見るだけ。俺もその一人だ。ただ利用しただけ。

「またまたぁ、助けたかったくせぃ」

殴りたい衝動を抑えながら、言葉を続ける。

「そんなわけねぇだろ、お前何を根拠に言ってんだよ」

そう言うと、遼斗は誇らしげな顔をする。

「小さい頃から一緒にいたからな!勘だ!」

ドキンと胸が鳴った。嬉しいとか思ってない。そう言い聞かせる。

「そうかよ…そりゃよかったな」

顔を逸らしながら、俺は言った。
……顔が赤いのを隠しながら。


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