薫子様、一大事でございます!
顔から耳まで一気に熱くなる。
ドキドキと早鐘を打つ鼓動。
北見さんの顔も見られずに俯いていると、頭の上に北見さんの手が置かれた。
「シャワー浴びてくるから、それまでに帰る支度をしておくこと」
いい? と覗き込まれて、目も合わせられないまま頷いた。
「あ、ガラス張りに戻そうか?」
バスルームを指差して、意味深に笑う。
――ガ、ガラス張りなんて!
「い、いいです。そのままで」
慌てる私を見て、またクククと笑うのだった。