トリックオアトリート


リラの世界でボンッと白い煙が出るのと同時にライルが住む魔界と呼ばれる世界にも白い煙が現れた。


その煙の中から現れたのは消えたはずのライルとリラ。


二人の背中には異様な羽。
人間にはない悪魔の羽。


コウモリのような二枚の羽を羽ばたかせるライル。

天使のような黒い翼を右に、コウモリのような白い翼を左にもつ、魔界でも異様なリラ。


その羽を見て目を輝かすライルを一睨みして目的の場所まで向かった。


「綺麗な白黒だね。あ、人間界ではモノクロって言うらしいよ」


目的の場所に一刻も早く行きたいリラは無視しようか、と考えたがライルが可哀想だと思ったので重たい口を渋々動かした。


リラは少し情に弱い所があるようだ


「白は雄飛が存在すると言う証だ。白と黒は対なるもの。雄飛が消えれば俺が消えるという証だ」


「へぇ〜仲いいんだね」


それにあぁ、とだけ答えて会話は終了した。


正直リラはライルが嫌いだ。


嫌いと言うよりも怖いのだ。


初めてライルにあった時、リラはライルの心を読んでいた。その時、見えたのはお菓子の事。


王の子供を前にお菓子の事を考えてる時点ですごいのに怯むことなく対等に話し掛けてくるライル。


それが初めてのリラは若干の戸惑いからライルに強い苦手意識が働いている。

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