弟、時々恋、のち狼
ここの学校の吹奏楽部は弱小なクセに、例年、入部希望者だけは多いらしい。
今このパートだけでも、上級生4人に対し、新入生は7人もいる。
……まぁそれでも、トランペットとかフルートみたいな超メジャー楽器よりは倍率は低いみたいだけれど。


「あ、ごめん。アカリちゃんは練習しててイイよ。三上くん、見てあげて」


三年生の中でもトップクラスの成績を誇るという小関先輩は、サラッとしたボブの髪を揺らしながら、一年生の一人を指差した。
中学でもホルンを吹いていて、すでに入部届けも出したその子は、もう、アタシたちとは違う立場なのだ。

あとの6人は……なんとなく興味があるから来てみたか、じゃなければ、アタシを含め、ロウ目当て、だ。


「さて、実際吹いてみてどうでした?」


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