高く澄んだあの空の色は

廊下に出ると、何人かの教師が立っていた。


その中でひときわ目立つ、化粧の濃い女教師。

中学まで噂になっている鬼教師、渡辺だった。



「うわっ!渡辺じゃん!!だるっ!きもっ!!」

年の離れた姉がいる天音はどうやら渡辺のことをよく知っているようで、顔をしかめ、肩をすくめた。


「え、渡辺ってそんなにひどいの?」


上に兄姉がいない私は噂でしか聞いた事が無かったのだが、天音はそんなことは常識だと言わんばかりに目を見開いた。


「あったりまえよ!あの贔屓女!!去年まで生活指導だったんだけど……綺麗な男子生徒ばっかり贔屓するわ、ヒステリックに喚き散らすわでクレームついて降ろされたのよ!!」


「へー、やっぱり怖いの?」

「うーん、ただのキチガイよ。」
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