こんぺいとう
半日観光は最終的に免税店で解散となった。しかし戦争の事を学んで胸が痛かった由月は、ショッピングをする気にもなれない。
すると突然由月は肩をたたかれた。
振り向くと立っていたのは先ほどの男性。
「突然ごめんなさい。一人で来ている人があまりいないみたいだったから。」
照れくさそうに笑う彼を見て、由月の警戒は溶けた。普段は絶対に知らない人と話をするようなタイプではないのに、海外旅行で気持ちがオープンになっていたのか、由月はその彼と話し始めた。

「私も一人旅で少々浮いていたので嬉しいです」

彼の名前は、岩田純。年齢は由月よりも1つ歳上の26歳だった。

ちょうど昼時だった事もあり、二人は免税店を出るとランチを食べにレストランに向かった。
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